![]() 本稿では、災害に関する法人の支出する費用等、法人税の取扱いについてご説明します。
(1)災害により滅失・損壊した資産等
法人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合に、その被災に伴い次のような損失又は費用が生じたときには、その損失又は費用の額は損金の額に算入されます。
(2)資産の評価損
法人の有する棚卸資産、固定資産又は一定の繰延資産につき災害による著しい損傷が生じたことにより、その時価が帳簿価額を下回ることとなった場合には、帳簿価額と時価との差額につき、損金経理をすることにより損金の額に算入することができます。
(3)復旧のために支出する費用
法人が、災害により被害を受けた固定資産(被災資産)について支出する次のような費用に係る資本的支出と修繕費の区分については、次のとおりとなります。
(4)災害による損失金の繰越
法人の各事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額のうち、棚卸資産、固定資産等災害により生じた損失に係るもの(災害損失欠損金額)がある場合には、その事業年度が青色申告書を提出しなかった事業年度であっても、その災害損失欠損金額に相当する金額は、その各事業年度において損金の額に算入されます。
(5)従業員等に支給する災害見舞金品
法人が、災害により被害を受けた従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品は、福利厚生費として損金の額に算入されます。 また、法人が自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品についても、同様に損金の額に算入されます。
(6)災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等
法人が 、所属する同業団体等の構成員の有する事業用資産について災害により損失が生じた場合に、その損失の補てんを目的とする構成員相互の扶助等に係る規約等に基づき合理的な基準に従って、同業団体等から賦課され拠出する分担金等は、その支出する事業年度の損金の額に算入されます。
(7)取引先に対する災害見舞金等
法人が、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程においてその取引先に対して行った災害見舞金の支出、事業用資産の供与等のために要した費用は、交際費等に該当しないものとして損金の額に算入されます。 また、国税庁HPでは、この度の東日本大震災の発生に伴い、災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いについて、よくある質問として下記のようにまとめていますので参考にしてください。 Q2以降の回答につきましては、国税庁HP「災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いFAQ」をご覧ください。下記のQuestion番号は、国税庁FAQのQuestion番号と同一になっています。
1 申告期限の延長
2 災害関係費用全般
3 資産の評価損
4 復旧のために支出する費用
5 従業員等に支給する災害見舞金品
6 災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等
7 取引先に対する災害見舞金等
(8)取引先に対する売掛金等の免除等
法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として売掛金、貸付金等の債権を免除する場合には、その免除することによる損失は寄附金又は交際費等以外の費用として損金の額に算入されます。 また、既契約のリース料、貸付利息、割賦代金の減免を行う場合及び災害発生後の取引につき従前の取引条件を変更する場合も同様に取り扱われます。
(9)取引先に対する低利又は無利息による融資
法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として低利又は無利息による融資を行った場合における通常収受すべき利息と実際に収受している利息との差額は、寄附金に該当しないものとされます。
(10)自社製品等の被災者に対する提供
![]() また、国税庁HPでは、この度の東日本大震災の発生に伴い、災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いについて、よくある質問として下記のようにまとめていますので、参考にしてください。 Q22以降の回答につきましては、国税庁HP「災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いFAQ」をご覧ください。下記のQuestion番号は、国税庁FAQのQuestion番号と同一になっております。
8 取引先に対する売掛金等の免除等
9 取引先に対する低利又は無利息による融資
10 自社製品等の被災者に対する提供
11 法人税に関するその他の取扱い
12 消費税の取扱い
13 源泉所得税の取扱い
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※ | こちらの情報は、平成23年8月11日現在の国税庁のホームページを基に作成しております。 |